神がしいた道

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「……おや。 シズさんはさすがかつての精鋭部隊の一でいらしただけありますね。 素晴らしい……また今度の機会に、その魔法で貴女の行かれる場所に御一緒させていただいても?」 「ぅえぇ……っ?!」 「ふふ、さぁ行きますよ。 館長さんがお待ちです」 「……駄洒落が大好きでいらっしゃる?」 「そう、パビエーダさん。 そうか、今朝にもお会いしてるんでしたね」 もう私の今朝の行動もすっかり理解されて把握されてしまっている、本当に凄い。 というか、……【同調】って、つまりは私の内面の声ってダダ漏れなの……? うわあぁ…… そしてシーニー様と共に昨日、博物館内のなんとも高級感溢れんばかりの応接室にて、今朝にもお会いした博物館の館長さんと対面する。 「あぁ、やはり……先程彼から連絡があったのですよ。 同席させて欲しいと」 シーニー様に連れられた私を見るなり、駄洒落館長さんは屈託なく笑われた。 シーニー様も楽しげに微笑まれる。 「あぁ……さん、ですか」 なんだかシーニー様と御一緒していると、違う未来が拓けていく感じがする。 世界がどんどん違う表情を見せてくれる。 フクさんといわれるその方はどのような方なのだろうか。 「じきに見えられますよ。 そうですね、今コランダム世界にて流通しているテクホを生み出されたテクテクノ、そこの名誉会長さんでもいらっしゃるし。 魔法を取り入れた先進的な医療機器メーカーとして有名なリコールの代表取締役でもありますね」 シーニー様が説明なさってくださるが、なんだか凄い人に違いないということはよく分かった。 少し緊張しつつ待つこと数分にて、私たちが座る応接室の扉が開かれる。 そこから入ってこられたのは、背筋がシャンと伸びたイケジジなお方だった。 恰幅があり、纏うオーラがシーニー様やパビエーダさんに負けず劣らずの力強さがある。 結構なお歳だとお見受けするのに……!
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