神である由縁

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―――コランダムはさぁ、視野が狭すぎるところが欠点だよね――― 最初の深界『アイストレンジ』が成った後、『あのお方』からおいらたちコランダム神はそんなお言葉をいただいた。 ―――そうだね。 頑張ってコランダム世界の二つの種族を統一させてみなよ。 そうしたら、きっと何かが見えてくるよ――― 『あのお方』はなんとも表現し難い微笑を浮かべながら、おいらたちに囁かれた。 ―――コランダム世界を飛び出していったあの命たちが、何を望んでどうしたかったのか。 いつかコランダムにも理解出来る時が……きたらいいね!――― やはり、『あのお方』はあの鉄槌の生き残りの命に加担されていた。 それを、おいらたちの視野が狭いと指摘されたのだ。 『あのお方』に言われるまでもなく、両族の統一は元来のコランダム神の願いでもある。長い長い時と多大なる犠牲を要したけれど、なんとか両族を統一させるという悲願は達成された。…… これから新しく構築されていく、出来上がっていく世界の仕組みを、命と共に見守らなければいけない―――分かっているのに、おいらたちの心は空虚だった。 大部分を占めていたのは虚しさだった。 『疲れちゃったなぁ……』 誰にというでもなく、コランダム神は呟いた。 命の幸せのために、命の願いを叶えるために、神は存在している。 一度、その命を踏み潰したおいらたちだ。 泣き言なんてものは許されない。 そうしたら『あのお方』が再び姿を現されたのだ。 なにか新しい視野は開けた? とおいらたちに尋ねられた。 コランダム神は『あのお方』に訴えた。 なにがどうしてこんなに虚しいと思えてしまうのかが分からない、と。 ―――コランダムはね、もっとワガママになったっていいと思うんだよ、ボクは――― そう仰った『あのお方』は、コランダム神からおいらたち三柱を創造された。 コランダム神は、命の欲望を司る神へと分かたれたのだ。 欲望を要する神へと変貌したおいらたちは、己の欲望を満たさなければ神の力を保てない存在になってしまった。 ―――命の願い、命の想いってのをその身で体験して勉強してごらんよ。 虚しいなんて言ってないで、もっと己の欲望に正直に楽しんだらいいんだ―――
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