(一)

3/3
前へ
/28ページ
次へ
 校長の話が終わり、集会は解散した。教室に戻る際、いずみたちは早速事件の話をした。 友人の夏菜子が「もしかすると、この前落ちた隕石のせいじゃない?」と言った。  さすがにそれは突飛すぎると、いずみだけでなく他の級友も、そして言った本人もそう思っていたらしい。「そんなわけないよ」と言い合って、いずみたちは大笑いした。  ちょうど体育館の入口を出たところで大爆笑したのだが、その入口の前には、生徒会長の田辺紀子がいた。  それに気づき、「怒られる」と思ったいずみたちは慌てて口を押さえて、笑いをこらえなければならなかった。  すると、生徒会長は注意をするわけでもなく、「宮原さん、ちょっといい?」といずみに声を掛けた。  いずみは紀子に軽く頭を下げて騒いだことを謝った。  すると、いずみの予想とは違う反応が返ってきた。  生徒会長は「あなたにお話があるの」と言ったのだ。 (続く)
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1190人が本棚に入れています
本棚に追加