(一)

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 宮原いずみは、陸上部の朝練に出ていた。朝練を終える前に一〇〇メートル走を走った。タイムは自己ベストを一秒以上下回っていた。  タイムを計測していた先輩からも「いまいち調子が出ないな」とも言われ、いずみはため息をついた。県大会入賞を目指し、毎日練習しているにもかかわらず、タイムが伸び悩んでいたのだ。  部室で着替えた後、ぼんやりしながら教室に入ろうとすると、クラスメートたちがぞろぞろと廊下へ出てきた。挨拶を交わし合いながらいずみは級友の一人にどこへ行くのかと尋ねると、全校集会のために体育館へ行くという話であった。今日は月に一度の全校集会の日であったのだ。いずみはすぐに自分の席に鞄を置き、体育館へと向かった。 (続く)
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