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「丹羽さんは、この界隈ではちょっとした有名人で、気に入った男は必ず落としちゃうの……ユウキ君も凄く綺麗だから気をつけなさいね」
「そ、そんな……僕は男性に興味がないから大丈夫です」
少しだけ嘘をついた。
丹羽さんの魅力は、やはり自分だけが感じたものではないようだ。
「マコトは丹羽さんのこと、どう思ってるの?」
さり気なく自分から話題を逸らさせようと、マコトに話しを振る。
「うーん……俺は好きな子もちゃんといるしね。丹羽さんはカッコいいし色気のある人だと思うけど、俺は、ああいういかにもな人、苦手だからさ……」
人間観察に長けているマコトが下した丹羽さんの評価は、あまりいいものではなかった。
「ふーん、マコトが言うんだから危ない人なんだね」
そう僕が言うと、ケンさんは高らかに笑った。
「二人とも可愛い顔して、言うこと、えげつないわね」
「そうですかぁ?」
マコトはケンさんと二人、突き合いながら笑っていた。
マコトは適応能力が高く、いつも無意識に僕のことを置き去りにした。
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