僕と彼らの秘密

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「どう? 御感想は」 そう言われて鏡を覗くと、見たことのない自分がいた。 (凄い!) 自分でも何度かこっそりメイクをしてみたことはあったけど、元プロのメイクさんの手にかかるとここまで変われるとは。 「華やかなメイク、やっぱりユウキに似合うよ」 横でメイクをしてもらっていたマコトが鏡越しに覗いてくる。 放課後、受験勉強の息抜きに友達とメイクを楽しむ。 簡単な肌の手入れは普段からしているけれど、流石に派手なメイクを自宅で楽しむ訳にはいかなかった。 僕が鏡に映る自分に見惚れていると、メイクをしてくれたケンさんが近くに置いてあったウィッグを付け、整えてくれる。 すると華やかなアップスタイルが完成した。 「うーん、やっぱりユウキ君、華やかな雰囲気が似合うわねぇ。目鼻立ちがはっきりしてるからかしら……」 ケンさんが褒めてくれる。 すると、マコトは分かりやすく頬を膨らませて、 「どうせ俺は純日本人顔ですよー」 と、しかめっ面をした。 濃い顔の僕からしたら、マコトの切れ長の目と、適度に厚みのある唇は、クールビューティーな雰囲気で羨ましいのに……
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