ばあやとぼっちゃま

日曜日

最後にぼっちゃまが言った最後の約束。

ぼっちゃまはばあやとある約束をしていた。

それは、代々、島田家が短命だと聞かされていたぼっちゃまはそれでもなお、普通に生きようとしたのだ。

ある日、いつものように検査入院をして1日中ベットの上で窓の景色しか見ることしかできなかったぼっちゃまがぽつりと呟いた。

「ばあや。もし僕が1週間で死ぬとしても黙ってて欲しい」

心配そうに見つめるばあやにいつもと変わらぬ優しい笑顔で振り返るぼっちゃま。

「僕はいつものように僕らしく死んでいきたいんだ」

それが短命という宿命を背負いながら、誰よりも明るく優しい彼が望む生き方だった。