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ぼっちゃまがジュースを買いに行っている間に諸々を済ませたばあやは病院の総合受付で腰をかけて青年を待っていた。
医者、看護師、救急隊、製薬会社のサラリーマン、入院患者、お見舞いに来た家族や知人…。
病院では常に人の動きがあり、ごった返していた。
その中でも黒のメイド服という出立ちの老婆は特に異質を放ち、みんなの注目の的になっていた。
しかし、彼女はそんな好奇な目で見られていても気にも止めなかった。
年齢を重ねた経験則がそうさせているわけではない。ぼっちゃまに仕えるメイドとしての誇りだった。
「ばあや、お待たせ」
ジュースを買いに行った青年が缶を2本持って帰ってきた。
1つは缶コーヒー、1つはお汁粉だった。
「さぁ、屋敷に戻ろうか」
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