水曜日

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水曜日

この広いお屋敷をばあやは毎日欠かさず掃除していたお陰で廊下はもちろん、花瓶や絵画などの装飾品もいつも綺麗に保たれていた。 そんなばあやがどうしても掃除できない場所が1箇所だけ屋敷の中にはあった。 「ぼっちゃま、今日こそは綺麗にしていただけるのでしょうね?」 ほとんどの掃除を終わらせたばあやはある部屋の前にいた。 しかし、部屋の扉の前にはぼっちゃんが侵入を阻む様に立ち塞がっていた。 「いやいや、勘弁してよ。ばあや もう僕1人で片づけられるから」 「それではもう片付けられてるはずなので、ばあやが部屋に入っても何ら問題がないのでは?」 立ち塞がっていたはずのぼっちゃまがだんだんと小さくなっていく。もう、彼の防衛ラインも突破される寸前だった。 「ほら、僕だって見られたくないものもあるから」 「ばあやはぼっちゃまのお爺様からお仕えしておりました。ぼっちゃまに至っては赤ん坊の頃から知っております。今更恥ずかしいことなんてありません」 ニッコリと笑顔を崩さないばあやだが、これが1番やばい。もう、何が何でも入るつもりだ。 とうとう開け放たれたぼっちゃまの部屋。そこにはありとあらゆる本で埋め尽くされており、足の踏み場もない部屋だった。
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