水曜日

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ばあやはさっきまで威勢がよくぼっちゃまに向かっていってたが、その部屋を見た瞬間、眩暈のようなものを起こしてへたりとその場で座り込んでしまった。 「ばあや大丈夫!?」 ぼっちゃまはすかさず彼女に駆け寄った。ばあやは朦朧とした目と青白い顔でぼっちゃまを見ていた。 「ば、ばあやは大丈夫でございます。しかし、これは…」 「だから、部屋に入って欲しくなかったんだよ。 これでも整理してるんだからね? 大量の本を段ボール箱に詰めるのも一苦労だよ」 意識もはっきりしたばあやはパンと頬っぺたを叩いて気合を入れたようだった。 「分かりました。今日中に終わらせましょう!」 まるで塔のように重ねられた本を片っ端から段ボール箱に詰めていく。 流石はこんな大きな屋敷をいつも綺麗にしてるだけはある。ばあやの前に積まれていた本の塔はみるみるとその高さを失っていった。 一山終えたばあやは、ふぅと一息ついて近くにあった椅子に座った。 「ぼっちゃま、日頃から片付けはきちんとして下さい! もしも私に何かあったら誰が片付けるというんですか」 ごめんとぼっちゃまは素直に謝った。でも、と、ぼっちゃまは言葉を繋いだ。 「ばあやが何かあったら嫌だから無理はしないでね?」 ぼっちゃまは不安そうにばあやを見る。すると、 「そんな気はさらさらありません!それよりもぼっちゃまがしっかり片付ければいい事です」 といつも通りばあやはズバッと言い放った。
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