ばあやとぼっちゃま

月曜日

「ほうら！何ともなかっただろ？

でも、なんかあったらすぐ病院だね！体は労らなくちゃ」

診察室から聞こえる安堵の声。

中には色白で幼さの残る顔立ちと表情が印象的な２０歳くらいの青年とその横にはグレイヘアだが短髪に分け目からピシッと整え、メイド服を身に纏った老婆がいた。

「まぁ、一応、今日のところは良かったですが…また来週にでも診せに来てください」

歯切れの悪い言いまわしを医者はしていたが、老婆は表情を変えずに背筋をピンと伸ばし丸椅子に腰を下ろしていた。

「安心したら喉が渇いた！ばあや、少し外で飲み物を買ってくるから後はよろしく！」

そう言ってぼっちゃまは診察室にばあやと医者を残して出て行った。