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「30 ちーちゃんがやってきた!」
今日は待ちに待ったちーちゃんが、はりねずみのトミーのおうちに来る日です。
トミーは朝からソワソワ落ち着きません。
「地図通りくるかなあ?」
一昨日みんなで飾り付けたお部屋を行ったり来たり。
しばらくしてノックの音が。
急いでドアを開けるとちーちゃんが笑顔で待っていました。
「ちーちゃん!いらっしゃい。待ってたよ。」
トミーは、ちーちゃんの荷物を持ってあげて、おうちの中に促しました。
「トミーお兄ちゃん久しぶり!」
お部屋に入るとちーちゃんがぎゅーっと抱きついてきました。
トミーも抱きしめ返し、「遠いところよく来たね」と頭を撫でました。
ちーちゃんも、トミーのことが大好きです。
「お兄ちゃん、このお部屋どうしたの?」
飾り付けに気付いたちーちゃんは目をキラキラさせながらお部屋の中を見渡します。
「ぼくのお友達が手伝ってくれて飾り付けたんだ」
ちーちゃんの好きな野苺ドリンクを持ってきたトミーは、ちーちゃんに説明し、あとでみんなが来ることも伝えました。
「緊張するけど楽しみ!」
ちーちゃんは飲み物を飲みながらずっとニコニコ。
「もう少しで来ると思うよ」と時計を見て、トミーは言いました。
「お土産持ってきたの。」と、ちーちゃんは自分と同じくらいの大きさのカバンから、一冊の本と、薬草を渡しました。
「わあ、ありがとう。おばさんの薬草は万能だから助かるよ。新しいレシピ集だ!本当にありがとう!」
そうお礼を言って所定の位置に片付けました。
するとドアをノックする音が聞こえました。
「みんな来たみたい」と玄関に向かいドアを開けるとみんなが待っていました。
「どうぞ入って」とみんなを招き入れます。
セキレイのレン、ハスキーのカイ、子猫のララ、シャム猫のルカ、白鳥のアイル。
みんな楽しみにしていてくれました。
ちーちゃんがピョコっと椅子から立ち上がり「皆さん初めまして。トミーお兄ちゃんのいとこのちーです。お兄ちゃんがいつもお世話になっています。」とご挨拶。
みんなちょっとびっくり。
カイが「すごくしっかりしてる子だね」と感心します。
みんなもそれぞれ自己紹介。
ちーちゃんは一回名前を聞いたら覚えてしまいました。
するとなにやらキッチンの方からいい匂いが。
「特製シチューだよ。ちーちゃんの大好物なんだ。みんなで食べよう」と大きなお鍋を抱えたトミーが言いました。
今日は人数が多いので特別に床に座ってのご飯です。
シチューに、焼き立てのパン。
みんなすぐにちーちゃんと打ち解けました。
「ちーちゃんいつまでここにいてくれるの?」と、ララが尋ねました。
「3日くらいお世話になろうと思うの」とちーちゃんが言うと、レンが「明日僕たちの遊び場に招待するよ」と言いました。
「いいの?楽しみ!」とちーちゃんも嬉しそうです。
トミーはホッとしました。
昔のちーちゃんは人見知りだったのです。
成長したちーちゃんを見れたトミーは嬉しくて、こっそりキッチンに行って、ちょっぴり泣いてしまいました。
あしたは千年木で遊ぶ約束をして、今日は解散です。
ちーちゃんとトミーはみんなの姿が見えなくなるまで手を振っていました。
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