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おばあの不思議な力
だから、私はおばあには何でも聞ける。
「ママも、死ぬ瞬間はこんな突然真っ暗になる感じだったのかな?」
私はそう聞いてみる。ママはソクシだったのだ。
「うーん。どうやろな。」
そう、おばあは今度はクリームを手で顔にギュっと浸透させながら答える。
「夢の中でママに聞いとくわ」
そう言っておばあは、突然バア~~と手を顔から離してウィンクした。
そう、おばあには不思議な力があった。
若い時に看護婦さんになってから、死んでしまった患者さんからいろいろ教えてもらって修行をしたらしく、死んだ人とも夢の中でだったら話すことができるらしい。
「私も私も~~」って夢の中に連れて行ってってお願いしたけど、私は修行もしていないから、夢の中に入ったらそのまま戻ってこれないからだめらしい。
おばあみたいに、大きくなって修行したら
死んだ人と話すことができるだけじゃなくて、歳をとっても若々しくて人の心がちょっとわかったり、先のことが少しわかったりもするらしい。
ママが、パパと結婚せずに子供を産むと言った時も
「とってもいい子が産まれるから産みなさい」
ってすぐにわかって不安そうなママを励ました不思議な力。
やっぱり、おばあは、私が産まれる前から大当たりのおまけだったのだ。
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