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「アキオさん、今日の集荷はこれが最後ですか?」
えっ、こいつ俺のことを今、アキオって呼んだよな、どうして俺のあだ名のことを知ったのだろう?
「ええ、こちらの地区への集荷は私が担当していますが・・おっしゃる通りで、本日はこれが最後の集荷になります。だからこれ以降の荷物は、すみません明日の集荷になります」
「よっしゃ分かった、もし追加の荷物が出てきたら、ワシが大山店に持ち込むから、ええよ」
「勝手なことですみません。規則なので・・ところで青柳商店さんってどうして私の名前をご存知なのですか?」
誰が俺のあだ名情報を漏らしたのだろう? 俺はとっさに仲間数人の顔を思い浮かべていた。
「名前って?」
「先ほど、私のことアキオって呼ばれましたよね⁉」
「今ごろ何やねんな、けったいな人やな・・何事かと思えばあんたの名前のことかいな?」
「えぇ、私の名は梅宮亜紀と云いますが、仲間うちではアキオってあだ名で呼ばれています。だから青柳商店さんがどうしてそのあだ名をご存知なのかが知りたくて・・それで尋ねてみたんです」
俺はお高く留まるつもりは無い、だが決して親しくも無い青柳さんにあだ名で呼ばれたことに、若干の違和感を覚えたのである。
「そうか・・アキオさんてあだ名やったんか⁉・・せやけどアンタがいつも押印してくれてる受領印はカタカナでアキオに成ってるもんな⁉ せやからてっきり受領印が名前やとばっかり思ってたんや・・でもあだ名を受領印に使うのもけったいな会社やな?」
青柳さんの言葉に俺はとっさに自分が使っている受領印のスタンプ部分を改めて確認してみた。でもスタンプ部分の文字はアキだけになっている。
「青柳商店さん、すみません、私の受領印を押印した伝票ですけど・・もう一度見せてもらえます?」
「自分のスタンプを確認しただけでは納得いかんのかいな⁉ ホンマしつこい人やな⁉」
青柳さんは、つい先ほど俺が渡した伝票を返してくれた。俺は早速自分が押印したスタンプの文字を再確認した。何と!驚いたことに、そこには・・
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