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「これが梅宮亜紀さんのスタンプの押印や!」
続いて店長は自分の腰にぶら下がっていた受領印を同じメモ用紙に押印した。そこには今日の日付と共に“坂本”と言う店長の名前が印字されていたが・・坂本の本の右横にカタカナのオと言う文字も印字されている。
続けて読むと坂本オとも読める。
「梅宮さん、ええか⁉・・このオと言う文字は大山店の“オ”や、つまり大山店の坂本と言うこっちゃ。ただ梅宮さんは親が着けてくれた漢字の“亜紀”が嫌で、カタカナのアキでオーダーしたから、続けてアキオになってしもたんや!」
「なるほど・・そのようなカラクリが有ったんですか⁉ 私の妄想では無かったんですよね⁉ でもそれだったら、どうして、店の頭文字をスタンプした時にだけ飛び出すように作ったのでしょうかね?」
「アキさん?って呼んでもイイかな・・」
「どうぞ」
「いいですか? 日付を毎日変更するのはこの歯車で設定してはるよね⁉ 実は店の頭文字も近隣のお店の頭文字を十種類だけ設定替えが出来るんですよ。隣の店に応援に行ったときなんか便利でしょ⁉」
「凄い!こんな小さなところに、このようなカラクリが有るなんて、凄い!」
「実は、名前も隠されへんか?って意見もあったけど・・名前が見えへんと誰のスタンプか分かりません!イチイチ押印せな分からんなんて、面倒くさいって怒られたもんで・・怒られたのは冗談やけどね・・」
「よかった!これで、謎が解けました。・・目の前の出来事が信じられないときって、凄く怖くないですか?・・店長・・ねぇ店長!」
店長は両の手を横に一杯広げたかと思うと軽く首を左右に揺らした。
「店長!それってスーツ2の織田裕二さんのモノ真似ですか?・・気持ち悪い分!全然似ていません!」
「それより、明日青柳商店さんに集荷に行ったら、社長さんに“ご心配かけました”言うて、お詫びしといてくださいよ!」
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