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「龍太くん、終わったの?」 「ああ」 「ホントに?」 「俺は、その・・・優里奈と」  龍太は口ごもった。夕陽が顔を照らしていなかったら、顔が赤くなっているのがわかってしまっただろう。 「ふーん」優里奈はそっけなくなく言うと、遠い水平線へを視線を向けた。「あたしはね、泣かないようにって、お願いしたんだ」  今度は謎めいた笑みを浮かべた。 「ふぇ?」  どういう意味だい? 気になるから教えてくれと笑いながら問うと、優里奈はからかうように、ふぇ、ふぇ、ふぇ、と龍太の真似をしてくりかえした。  太陽は半分ほど沈み、水面は暗くなっており、その深奥を覗くことはもうできなかった。
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