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 車はごちゃごちゃした街中を抜けていく。  日本製の中古車がたくさん走っている。バスも日本製だとすぐにわかった。東京の有名なバス会社のロゴがそのままになっていたからだ。  遠くには銀色に輝く寺院(パゴダ)の屋根が、ここが日本でないことを教えてくれる。  車はワンダフルマートの駐車場に入った。  ヤンゴンのスーパーも日本の都市でよく見かけるそれとほとんど構造が変わらないようだ。しきりなしに出入りする買い物客の車列も日本の光景と同じだった。  社員専用の通用門には警備員がいて、テインタンがミャンマー語で何か話すと、龍太はパスポートを提示するだけであっさりと通された。  バックヤード専用のエレベーターに乗り込み、支配人室がある6階で降りた。テインタンは支配人室のドアホンに来訪を告げると、気を利かせたのかどこかへ行ってしまった。   「お久しぶり、元気してた?」  若い女が龍太を迎えた。  すっかり落ち着いた雰囲気を漂わせ、大人の顔をしている優里奈だとすぐにわかった。ビジネススーツを着こなし、やり手のキャリアウーマンのようだった。  
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