ジャック・オ・ランタン

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地獄では悪魔達が嫌がって、ジャックを入れてはくれません。 天国では門番の聖ペテロが悪魔との関係を持ったジャックを嫌がって、門より中には入れてくれません。 ジャックは魂だけになってしまったので、生きてはいませんが、死んでもいません。 天国にも地獄にも行けず、カボチャ頭のままでさまよう事になりました。 この世でも、あの世でもない所をです。 ポッカリ空いたカボチャの顔で。 夜道を照らすディーツ(かぶ)のランタンを手に持って。 生きてもおらず、死んでもいません。 そして、ハロウィンの夜にコッソリと人々の中に紛れ込むのです。 永遠に地上を彷徨わなくてはいけない、その寂しさを紛らわせるために。 ハロウィンに子供達が仮装して道を行くのは、ジャックと出会った時に彼が恥ずかしがらないようにするためです。 だって今では、自分のした事を反省しているんですから。
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