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「財布ぅ? オイラは金が欲しいんだぜ?」
【そう言わずに開けてみよ。欲しいだけの金貨が取り出せる】
ジャックが言われたとおりに財布に手を入れてみると、掴みきれないほどの金貨が入っているのが分かりました。
「おお、すげー! 確かにこの財布があれば、一生遊んで暮らせるな!」
【これで余とお前の契約は完了した。覚えておけよ、人間。契約の期間は3年だ。3年たったら契約の印にお前の命か、代わりの者の魂を貰い受けに来るぞ!】
そう言い残すと、悪魔は硫黄の煙を噴き上げながら魔法陣から消え、地獄へと帰っていきました。
それからのジャックはと言うと、悪魔の財布のおかげで使い切れない金貨を手にして、遊んで暮らすことが出来ました。
好きなだけ博打をして、どれだけ負けても支払に困る事はありません。
欲しいモノがあったら、財布に手を突っ込んで金貨をつかみ出せばいいのです。
急に金払いがよくなったジャックを見て、村人達は噂しました。
「あいつは、悪魔と契約したに違いねぇ。今に大変なことになるぞ」
でもジャックは、村人に何を言われても気になりません。
毎日好きな物を食べ、浴びるだけ酒を飲み、面白おかしく暮らしました。
そしていつの間にか、悪魔との約束の3年が経っていたのです。
ジャックが豪邸に住み、贅沢な食事を惜しげもなく食い散らかし、だらしなく酒を飲んでいる時、いきなり悪魔がやって来ました。
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