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【ジャックよ、約束の3年が経ったぞ。契約の印に、お前の魂を貰い受けに来た】
悪魔の言葉を聞いて、ジャックは自分が3年前に悪魔と交わした約束を思い出しました。
でも始めから、ジャックには悪魔との約束を守る気なんてありません。
「ああ、分かってるさ。約束の3年だろ。覚えてるさ。でも、オイラにも都合ってもんがある。今晩一晩、村人に別れを告げる時間をくれないかい? その代わり、明日の夜明けに、あの山にかかる吊橋で待ってる」
【約束を違えるなよ。明日の夜明けだな。太陽が昇るのと同時に、お前かお前の身代わりになる者の魂を奪いに来るぞ】
「もちろんさ。他の誰かと間違えないように、黄色いブーツをはいて白い上着に、赤い帽子をかぶって行くよ。それが印だ」
【了解した。逃げようとしてもムダだぞ】
「大丈夫。逃げたりはしないさ」
でも、ジャックは悪魔との契約から逃げ出すつもりでした。
夜のうちにあるモノを用意すると、悪魔と約束した山の吊橋に向かいました。
夜明けを待って、用意してきたモノから手を離しました。
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