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山の陰から太陽が顔を出した瞬間、悪魔が現れて吊橋の上にいたモノの魂を抜き取りました。
が……。
【おのれぇぇぇぇ! 余をたばかったな! ジャックめぇぇぇ!!!】
山に悪魔の怒りの叫びが響き渡りました。
ジャックが用意したのは「黄色い脚」で「白い体」をした「赤いトサカ」の鶏だったのです。
「オイラ、嘘はついてないぜ。ちゃんと約束したからな。黄色いブーツに白い上着に赤い帽子だ! さあ、そいつの魂を持って行きな!」
【3年だ! 3年後に、お前の魂を奪いに来る! 待っていろよ!】
「ああ、3年だな。次の3年後には黄色い帽子に茶色い上着、白いブーツで待っててやるよ」
悪魔は歯軋りしながら、吊橋の上から鶏の魂を奪って地獄へ帰っていきました。
次の3年もジャックは面白おかしく気楽に暮らしました。
お金は有り余るほど持っています。
使っても使っても、財布の中の金貨は減らないのですから。
好きなだけ好きなモノを買って、食べて、飲んで、博打を楽しみました。
そして前回と同じように、あっという間に3年が過ぎていきました。
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