出会い。

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出会い。

 その日、わたしは彼から目がはなせなかった。  幼稚園の入園式でみんなが緊張したように周りを見まわしたり、足をもじもじさせておちつかない様子を見せていた。先生から「今日からよろしくね」というこえにも、「はい」とちがうこえを返していた。  その中で、彼は何をかんがえているかわからない表情をして入園式にいた。お行儀よくイスにすわって、頭をほとんど動かさないでじっとしていた。たまに周りの子のようすを、ムシを観察するような目で見ていた。  先生のこえにも、「はい」とお母さんにおこられた時みたいな顔をしていっていた。  なのに、彼はとても綺麗だった。  ほかの子とちがうから? それだけじゃない、たしかにそこも好きなところ。彼の顔はおんなのこみたいに、いやおんなのこよりかわいいんだ。キレイな顔をしている。  わたしを迎えにくるときに、お母さんたちが「蓮くんはキレイね」って言ってたからそうなんだろう。大人がいうことに、間違いはないはずだもん。  そんな風にわたしの目に特別に映るレンくんと仲良くなりたい、そう思うのは仕方ないと思うの。
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