ふたりの始まり。

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 蓮になんというべきか先生が考えていると、「おはようございます、先生」と元気な女の子の声が聞こえてきた。その声の人物はこちらにやってきて「あれ、どうしたの?」と不思議そうな声をあげた。 「あぁ、蘭子ちゃん。おはよう」 「せんせいー、レンくんが落ち込んでるみたいだけど、どうかしたの?」  蘭子がもう一度問いかけると、先生は「誤魔化せないか」と言って蘭子に恋の泥団子がなくなってしまったことを説明した。その話を聞いた時、蘭子は初めてきたかのようなリアクションをして「えぇ、たいへんだ」と言う。  その様子を見た先生は何も知らなさそうだと判断しながら、義務として「蓮くんの泥団子について何か知らない?」と聞く。その言葉に少し考えたそぶりをした後、悲しそうに眉を下げる。 「ごめんなさい、わからないです。  でも、レンくんの泥団子はすごくピカピカだったから、カラスさんがもってったのかも。おかあさんに教えてもらったけど、カラスさんはきれいなものが好きなんでしょ? レンくんの泥団子はピカピカだったから」  先生は「そっか、教えてくれてありがとう。蘭子ちゃん」と蘭子の頭を撫でた。蘭子は先生に、子供らしい笑顔を向けた。
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