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蓮は蘭子に誘われるがまま遊んでも、前回のようになってしまうのではないかと警戒心を持っていた。だが、このまま無視をし続けて大人の中で蘭子の株が上がり続けることの方に苛立ちを感じ始めた。
それに、昨日「どうしてランコちゃんを無視するの? レンくんひどい」と同じチューリップ組の女の子に言われてしまったのだ。
このままだと、みんなに嫌われてしまう。そのことに危機感を抱いた蓮は、ある行動を起こそうと決めたのだ。
自由時間となって雨の日には人気がないトランポリンのある部屋に向かうと、案の定「どこいくの〜?」と蘭子がレンの後をついてくる。
トランポリンの部屋は誰もおらず、完全に蘭子と蓮の二人きりだった。蓮は覚悟を決めて蘭子の目をじっと見ると、彼女はにこりと笑ってみせた。
「レンくん、トランポリンであそぶの?」
「ううん。きょうはランコちゃんとお話がしたいとおもって、ここにきた」
「わかった、じゃあマドをしめてカーテンの中でお話ししよっか」
蘭子は音を出さないように静かに窓を閉めて、横にあるカーテンを広げて二人で包まった。「ね、これでヒミツのお話ができるでしょ」と蘭子がいうので、蓮はコクリと首を動かして答えた。
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