始まり

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始まり

「ねぇママ。どうして私はこの名前になったの?」 そう尋ねたのはまだ小学校に上がる前だと思う。 自分の名前が、なんとなく人と違うと思いだしたのはちょうどその頃だった。 周りが呼んでくれる愛称では変な顔されないのに、本当の名前を知った人はみんな微妙な顔をするからだ。 「あのね。パパを最初に見た時に、天使様みたいって思ったの」 屈託なく笑いながら、お母さんは私にそう言った。 だからって、そのままを自分の子どもに名付けてしまうくらいに、お母さんの頭の中身はちょっと残念だった。
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