【1】ご機嫌よう 『YES以外受け入れるつもりは無い 』
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十月八日土曜日、十四時。 朝比奈家へ電話をかけてみれば、スリーコールで受話器が持ち上げられた。 学校の授業は午前だけの筈だが、友人たちと遊ぶ約束もせず八歳年下の義弟は、自宅で宿題を片付け読書をしていたようだ。 僕の声を聴き少しだけ驚いてそして、嬉しそうに『海輝』と返してくる。 「錦君、久しぶり」 これから続く言葉に対して、彼が何らかの期待をする事を僕は期待する。
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