悲劇R

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  ――――カコンッ  何かが長机からこぼれ落ちた。  その瞬間、張り詰めた空間の均衡は崩れ、辺りの時間は止まる。しかし、数秒を経ずして、再び時は動き出し、辺りは静寂にゆくりと呑まれていく。このまま刻々と時が刻まれてゆくはずだった。あの男が"ソレ"を拾うまでは。  そう、思えばそれこそが、我々の心の奥底にしまわれた悲劇の物語の始まりであった……。
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