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屋敷についたら、いつもの応接室ではなく、僕の私室にリアを連れて行った。 「えっと、あの殿下?」 困惑しているリアも可愛い。最高。あぁ~、癒される。 「リア、ユリシーズ。」 「いえ、ですのでこの状況は…」 僕の名前を呼ぶまでは答えないと分かったのかあきらめた顔してリアは僕の名前を呼んでくれた。可愛いなぁ。あぁ、僕の前で気を許してくれている証拠だ。とっても嬉しい。 「ユリシーズ様。放してください。」 破壊力がすごい。今までずっと殿下呼びだったけどいつか愛称で様とかもなしの呼び捨てで呼んでくれないかな。ああ、でもそうしたら僕、我慢できるかな? 「ヤダ。もうリアとずっと一緒にいる。またあんな奴が出てきてたまるものか」 これは僕のわがまま。でもね、僕の婚約者で来年には結婚するんだしずっと一緒にれるのには変わりないけどね。僕はリアを手放す気もないし逃がすつもりもないから。結婚までにどうにかしてリアが本心から僕に嫁ぎたいと思ってくれるように頑張らないと。 「ねえ、リア。僕はずっとリアとこうしたかったんだよ?だというのに僕が卒業するまでリアに必要以上は触ったらだめってリアの過保護な保護者(ルルシーナ)に言われてきたんだよ?それにリアが卒業するまで二人っきりになるのもだめって言われてるんだよ?だからちょっとくらいはいいでしょ?」 過保護な保護者がだれかわからないみたい。ルルシーナの事だけどルルシーナはきつめに接してるんだから気づかないのも無理ないよね。言ってることは僕の婚約者として必要なことで、しかもわざわざ鞭になって言ってるし。リアは気づいてはいないけどルルシーナに言われた事を実行しているから完璧令嬢って言われているの、リアは知ってるのかな? 「リアが僕の事を好きじゃないって知ってるよ?だからリアが卒業して結婚するまでに僕に惚れさして見せる。覚悟しといてね。」 と言ったら僕に少し怯えてしまったみたい。それでもリアは可愛い。 それから、一年後。今日はリアの卒業の日だ。この一年の間あの手この手を使ってリアの心はもう僕のものだ。本当によくやったと自分に言いたい。何度理性が飛びかけたものか。リアは僕を煽るのが上手すぎる。余裕に見せることは何とか出来ているけど。 「リア、とっても可愛い。僕の色ですべて揃えられてよかったよ。」 「シ、シーズ様。恥ずかしいのでその……あうぅ。」 あぁ、リアが恥ずかしがっていて可愛い。それに、卒業パーティー用のドレス一式は去年と同じく僕の色ですべてそろえているからその色を見ているだけでなんだか満たされる。そして僕の服もリアの色にしたんだ。ペアルックに見えるようにもしている。 馬車に乗ってリアを膝の上にのせるとまた恥ずかしがってる。はぁ、リアが可愛い。羞恥心からか顔を真っ赤にさせている。このままお持ち帰りしたい。でも、今日からリアは僕の家に住むことになっているから別にいいや。これで名実ともにリアは僕のものになる。初めて出会ってから13年もたってようやくだ。 今年は去年みたいな騒動も起きずに無事、卒業パーティーも終わって僕の家に着いた。そしてリアをお姫様みたく抱き上げて部屋まで連れていく。事前に人払いも済ませているから誰も来ない。まぁ、人払いをしてなくても皆が気を使ってくれて来ることはないかもだけど。 「シーズ様っ⁈」 「リア、僕達の部屋(寝室)に行くよ。」 僕は王族だから駄目なこともあった。でも、婚姻届も出したから何も邪魔するものはない。 我慢してきたんだしもう、いいよね?
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