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試練らしいです。
「アンナよ。」
「はい。」
「今回はルルがそなたを助けたから良かったものの、最悪の場合、そなたは永遠にあの強欲な人間どもの奴隷となって追ったぞ。
これに、懲りて今後は無茶なことはせんようにな。
それから、オスカーに会いに行ってやれ。そなたの事をとても心配しておったぞ。」
オスカーとは、アンナの家族……お父様だったりするのでしょうか?でしたら、できるのなら私も挨拶をしたほうが良いですよね。でも、もうアンナも行ってしまわれましたし次に機会があればにしましょう。
「むぅ、アレクシアもルルシーナも驚かんのか。つまらんのう。」
…つまらないと言われましても、どう反応すればいいのか分からなかっただけなのですが。
そう困惑しているうちにアンナが戻ってきました。案外早かったですね。
「そういえば、ルルもアレナも長様と知り合い?」
「「長様?」」
「うん。あたしたちの群れのリーダーだよ。」
ジョヴァンナ様がアンナ達の群れのリーダー……。つまり、アンナもエンシェント・ドラゴンだとでもいうのですか?!
ならば、初めて会ったときに妖精に囲まれていたのも納得です。
今更ですが、私はとんだ拾い者をしたようですね。
「そなたがルルが拾ったというアンナ…殿、か?」
「うん、そうだよ!う~んと……ルルの父様!」
アンナが難問が解けたというような達成感のある顔をしていますが、今のはフィル伯父様です。まぁ、双子で姿形、声や仕草まで似ている2人を見分けるのは難しいです。初対面であるアンナは尚更。大体は態度やほんの少しの癖で見分けられますが、ほとんどの人は2人が入れ替わっても気づかないでしょう。
「いや、余はアレナの父、フィリップであるぞ。レオンと余は似ているため致し方ないが人目があるときは気をつけるように。」
「は、はい。陛下。」
アンナでもフィル伯父様には大人しくするのですね。さすが、フィル伯父様です。威厳がありまくりですね。
「僕がルルの父のレオンハルトだよ。よろしくね。」
「はい!」
などと私達がほのぼのと交流をしていると黙ってらっしゃったジョヴァンナ様が急にこんなことを言い出しました。
「そうじゃ。アレナ、ルル。」
「「はい。」」
「今から試練をするから行ってまいれ。妾が送ってやろう。」
え?と私達が目を合わせて混乱、困惑しているうちにさっきと同様、大きな魔力を感じて瞬きの間に私はまた、別の場所に移動していました。
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