瑠奈15歳

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瑠奈15歳

**15年後** 十五歳になった瑠奈は、アイドルになれそうなほどの美少女に成長した。 幼少の頃からお洒落は大好きだったけれど、年頃になった今は更に拍車がかかり、ファッションにかかる費用が家計を圧迫していた。 鏡を見ている時間が異様に長い。 メイクした目をパチパチさせてみたり、指で前髪をいじくりまわしたり。 そんなことに時間を費やす暇があるなら、ほんの少しでいいから勉強したらと言いたくなるが、逆効果なのはわかりきってるので、なにも言わない。 中学三年となった今はもう、瑠奈に対してバカげた夢を追ったり、高望みする事はなくなった。 優秀でなくていい、せめて人並みな生活を送れるようになって欲しい。 最近の一番の悩みは、瑠奈の彼氏のことだ。 中学二年あたりから、瑠奈には男の影がちらつく様になり、その頃から友人の家に泊まり歩くようになった。 妊娠でもさせられたらと思うと、気が気でなくなり、学校帰りの瑠奈を待ち伏せして尾行した事もある。 そんなことがバレて、瑠奈との関係は悪化するばかりだった。 主人からも少し注意をして欲しいと相談を持ちかけても、 「おまえの悩みはいつでも妊娠のことだな。自分は妊娠できなくて死ぬほど悩んで、今度は娘の妊娠にハラハラさせられてるんだからな」 呆れたようにビールを飲みながら、そんな皮肉しか言わない。
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