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「紗良に赤ちゃんが生まれてたなんて、全然知らなかったよ。どうして教えてくれなかったの〜」
一歳二ヶ月になっていた梨々香ちゃんの手を引いて、リビングに入って来た瑞季は、開口一番そんな不満をもらした。
「ごめんね。秘密にしたかったわけじゃないのよ。だけど、わたしいつも流れてダメだったでしょう。生まれて来るまで心配で誰にも言えなかったの」
「それもそうよね。紗良は随分辛い思いをしたもんね。私も紗良の前ではあからさまに喜べなくて。ずっと連絡もしないでいてごめんね」
やはり、子供の出来なかったわたしを憐れんでいたのね。
「ううん、わたしだって逆の立場なら同じだったと思うわ。でも、これからはまた仲良く出来るわね」
「本当に嬉しい! 梨々香にもお友達ができて良かった〜 瑠奈ちゃん、三月生まれなら、梨々香と同じ学年ね」
「そうね。まだ早いけど、幼稚園とか同じだといいな。気の合うママ友がいるって心強いもの」
「本当にそう。ママ友との付き合いは大変らしいから、そんなんで悩みたくないわ〜〜」
瑞季は明るくて、とても優しい気遣いの出来る人だから、ママ友として申し分ない。
洋服のセンスなんかは野暮ったいところがあるけれど、そんな無頓着なところも慣れると案外気楽だった。
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