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梨々香ちゃんは益々パパそっくりになっていた。泣かなくなったけれど、落ち着きなく、騒がしい。
「ママ〜〜 ママ〜〜! これ、これ、あそぶっ!!」
「はい、はい、わかったよ。もう梨々香はせっかちなんだから」
はじめて訪問した家が珍しいのだろう。
キッチンへ行ったり、別の部屋を覗いてみたりと落ち着きなかった。
もしかしてADHD(注意欠陥多動性障害)?
どこまでも気の毒な瑞季。
「梨々香ちゃんも随分お姉ちゃんになったのね。まだ一歳二ヶ月なのに、おしゃべり上手〜!」
「梨々香うるさくてごめんね〜 とってもおしゃべりなの。そこは私に似たみたいね。最近は外遊びばかりしたがるから、メッチャ体力消耗するし。 高齢出産はやっぱりキツイわ〜」
瑞季は疲れがたまっているのか、肌がくすんで年齢よりも老けてみえた。
「でも、可愛い寝顔を見ていたら疲れなんて吹き飛んじゃうでしょう?」
「確かに。私たち、子供が出来るなんて夢のまた夢だったもんね。疲れるなんて言ってたらバチが当たっちゃうね。瑠奈ちゃん本当に可愛い〜 紗良によく似てる」
ベビーベッドでスヤスヤと眠っている瑠奈の寝顔を見て、瑞季が羨ましげに呟いた。
「そう? そんなに似てる? みんなにそう言われるの」
「きっと美人になるはずよ」
「……ありがとう」
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