22人が本棚に入れています
本棚に追加
「松島君お疲れ~ 今日も頼むよ」
「はい、よろしくお願いします」
俺は店長と軽く挨拶を済ませて制服へ着替えた。俺はバイト先では松島孝と言う偽名でカフェ店のバイトをしていた。ここでは頼れるバイトリーダーの顔を持つ。
「松島君は真面目に仕事をするから助かるよ」
こう見えても普段の生活では裏の顔を隠して好青年な学生を演じている。
「松島先輩お疲れ様です。今度ご飯行きましょう」
「今、いろいろ忙しいから落ち着いたらな」
最近入ってきたバイト先の後輩である中田友香[高1]ともハイタッチをするほどの仲だ。確かにコイツは愛嬌がある顔で裏表のない素直な奴だ。だが金のない女子高生に興味は無いぜ。俺は何度も笑顔で遠回しにうまく断ってやる。
この日も駅前にあるスタバで接客をしていると、チェックのブレザーとスカートの制服を着たセミロングの黒髪で大人しめの女子高生がやってきた。
《見ない顔だな。正直、こう言う陰キャには興味無いんだよな‥》
ウチの店は常連客が多く、結構長くやっていると顔を覚えてしまう。しかし俺がカモにする奴は派手に着飾っていたり、知的な雰囲気を醸し出すいかにも金を稼いでいて男に強欲な奴だ。じゃないと稼げねえからな。
とりあえず、昨日大金が手に入って気分も良かったので爽やかな気持ちで接客をすることにした。
最初のコメントを投稿しよう!