第2話 過去

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奴は鬼の形相で俺を睨み付けてきた。正直下を向きながらご飯と一緒に飲み込む事しか出来なかった。だがそれ以降も父の居ないところで俺に暴行を働いた。 ある日、奴が顔に痣を作ってきたため、父が心配して訪ねると、どうやら元彼がヤクザがらみの奴だったそうで借金返済が必要だという。 緊迫した空気が流れる中 「実は3000万必要なの」 父は腕を組んで黙って聞いていた。俺は正直こんな女を助けることないと思っていたが、暴力を受けるのが怖くて黙っているしか出来なかった。 そして 「よし、何とかするよ」 だが、父がかき集めた3000万を受け取ると女は忽然と姿を暗ませやがった。そして 父はある日、自宅で首吊り自殺をした。 その後の調べで判明したのが父は会社の金を横領してあの女に手渡したそうだ。 当然、犯罪者の息子の俺は身分を隠すようにして施設に引き取られた。俺は今でもあの時のトラウマから、女と言う生き物が大嫌いになった。こうして俺はアイツに似た女や金持ち女を見つけては大金を貢がせるスリルを堪能するようになっちまった。
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