1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
大人になってから、月日と言うのはあっという間に通り過ぎていくようになった。
まぁそれもそうだろう。
大学を卒業し、就職してからもうすぐ七年になるが。俺の一日は毎日変わらない。
朝は毎朝七時に起床し、顔洗って歯磨きして弁当作って仕事に行く。それからずっと営業周りで、暑い日も寒い日も俺は頭を下げ、営業スマイルを客に振りまき、それが終わればずっとパソコンとにらめっこ。
結局それが夜の十時まで続き、家に帰りついた頃には、時計の針はいつも夜の十一時を刺そうとしていた。
「はぁ……ただいま」
「あ、おかえり裕二。いつも遅いね」
「あぁ」
高校の頃から付き合っている彼女の恵とは同棲しているが、俺が就職してから徐々に会話が減っていき。顔を合わせるのも触れ合うのも、ここ最近は全くない。
きっと原因は、俺がいつまで経っても結婚しようとしないからだ。
仕方ない。だって今は、金も時間も余裕がない。こんな状態で結婚しても上手くいくわけがないのだから……。
最初のコメントを投稿しよう!