三件目

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「それじゃあ話してもらってもいいですか?」 僕達の座っていたベンチは、自動販売機の近くと言う理由で人通りが多い、今から話すことは、それこそ人に聞かせるような話でも無いだろうという事で、僕達は生徒会室を借りてそこで話をすることにした。 「う、うん。それじゃあ話すわね。先ずは相談内容の前に、概要から話すわね」 「はい。お願いします」 先輩は頬を赤らめて、咳払いをしてから話始める。その姿は、確かに僕の知っている生徒会長の顔では無くて、ただの恋する乙女の表情だった。 「私はね。好きな人が居るの。放送部の渡辺和也。貴方たちも知っているはずよ」 「そうですね。この前一緒にラジオをやらせてもらいました」 「ええ。聞いていたわ。秋斗君は緊張していたわね」 「そんなことは、今は良いんです。要するに間を取り持てばいいんですか?」 塞がっていないかさぶたを、剥がされた僕は、話を逸らすために先輩に質問を投げかける。 「いえ。そうじゃなく。依頼内容としては放っておいて欲しいの」
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