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「それじゃあ話してもらってもいいですか?」
僕達の座っていたベンチは、自動販売機の近くと言う理由で人通りが多い、今から話すことは、それこそ人に聞かせるような話でも無いだろうという事で、僕達は生徒会室を借りてそこで話をすることにした。
「う、うん。それじゃあ話すわね。先ずは相談内容の前に、概要から話すわね」
「はい。お願いします」
先輩は頬を赤らめて、咳払いをしてから話始める。その姿は、確かに僕の知っている生徒会長の顔では無くて、ただの恋する乙女の表情だった。
「私はね。好きな人が居るの。放送部の渡辺和也。貴方たちも知っているはずよ」
「そうですね。この前一緒にラジオをやらせてもらいました」
「ええ。聞いていたわ。秋斗君は緊張していたわね」
「そんなことは、今は良いんです。要するに間を取り持てばいいんですか?」
塞がっていないかさぶたを、剥がされた僕は、話を逸らすために先輩に質問を投げかける。
「いえ。そうじゃなく。依頼内容としては放っておいて欲しいの」
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