三件目

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「……どうゆう事ですか?」 先輩から告げられた、予想外の発言に、僕は意味を理解できずにもう一度聞きなおす。 「ごめんね。説明が足りていなかったわ。私には妹が居るんだけどね。その妹が私の恋路を応援してくれてるの」 「姉妹仲良くていいじゃないですか」 「もちろんね。私もあの子の事は好きなのよ。でもね、恋ぐらいは放っておいて欲しいの」 「なるほど。ではそう、妹さんに伝えておく。妹さんが過度な応援をするのを阻止するって事で良いんですか?」 「まあ。そうなんだけど、そう焦らないで聞いてほしいな。私も、妹がきっと私の事を思ってしている行為だという事は分かっているのよ」 僕は時間が遅くなってしまっていく事と、先輩の要領の得ない発言に、疑問の顔を先輩に向ける。 「……そうね。妹に協力しつつ。私がしっかりと自分で決められるように上手く立ち回る。いわばブレーキを二人にお願いしたいの」 「なるほど、そう言う事ですか」 「しんどいだろうし。無理を言っているのは分かっているのだけれど、受けてくれるかしら」 「……そうですね。お断りさせてください」 僕は先輩をしっかりと見つめて、後ろメタさを感じて等居ないと伝えるように言った。すると先輩は虚しそうに笑った後に返事を返してくれる。 「そうよね。無理言ってごめんなさいね。私なりにちゃんとあの子と話し合ってみるわ」 「そうしてください。でも、それでもダメそうなら頼ってくださいね。その時は力になるので」 「……驚いたわ、秋斗君はもっと辛辣な子だと思っていたのに」 「相棒のが写ってしまったのかもしれませんね。一応こちらでも何か出来そうならするので、先輩も恋の方頑張ってくださいね」 「そうだね。ありがとう」 「いえ、ごちそうさまでした」 僕がそう言って、先輩から貰った空のジュース缶を、分かりやすく顔の近くに持って言った後、僕はお辞儀をしてから生徒会室を後にした。
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