ホットドックコーナー1

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ホットドックコーナー1

短編小説を書きます。 「ホットドックコーナー」 砂漠を1台のピッアップが夕陽に照らされて走っていく。 風に吹かれた灌木が後ろをついて行く。 ピックアップは小さな町に着いた。 町の中心に小さなステージが身をひそめている。 午後7時30分 人々が集まり始めている。 広場を埋め尽くす、人、人、人。 午後8時スポットライトが点けられた。 濡れるようなサックスの音がステージの左端から響いてくる。 オベイションギターの乾いた音がステージの右橋から聞こえてくる。 ゆっくりと二人がステージの中央のスタンドマイクに向かう。 右側の男が静かに歌いはじめる。 今、全米で大ヒット中のJUSTLONLY。 オベイションの乾いたサウンドにボーカルの少しハスキーな声がからんでいく。 町中に響くサウンド。 誰もしゃべっていない。 みんなの心を掴んでいる。 一曲目が終わった。 町がこわれるくらいの拍手。 10曲とアンコール2曲が終わった。 やがてスポットライトが消された、まだ人の熱気が乗っている。 ステージにこしかけたグループのメンバーがバドのプルトップをあけた。 プシュという音がしてカンパイの声が響く。 「よかったな」 「よかったね」 4人の声がシンクロする。 明日NYを目指す。 「結構長かったな」 「長かったわね」 「ようやくここまで来たな」 「来たね」 やがて2人になり 星空の下、無言でオベイションギターで Goodnightdremを奏でる。 青いバンダナが夜風に揺れる。 2年前僕たちはホットドック屋のパイプ椅子にこしかけて たわいのない事をだべっていた。 あの運命の人に出会う場所で。 91d6b366-27fd-4e82-8993-e0a129e6a5e6
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