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今朝もレドが水やりをしにホースを引きずって鉢植えに近づくと、にゅっと顔を出したカマキリ。
🐰「(´・ω・`)ノ ヤァ! カマちゃん、おはよう」
レドが片手を上げて挨拶をすると、カマキリは不思議そうに顔を傾け、まるで挨拶を真似るように片方の鎌をあげた。
🐰「あれれ? 通じてる? まさかね」
まさかねと笑ったレドだけれど、それから一か月以上もの間、レドとカマキリは片手を上げて朝の挨拶(´・ω・`)ノ ヤァ!を交わし続けることになる。
不思議だな。名前をつけたせいか、挨拶をするせいか、なんだかペットみたい。このままずっといればいいな。
ところが、次の日にカマキリは姿を消してしまった。
レドは並んでいる植木鉢の植物の中や鉢植えの周囲を探し回った。
🐰「カマちゃん。どこ? 隠れてないで(´・ω・`)ノ ヤァ!してよ」
少し離れた木や中庭の方も探したけれど、見つからない。
鳥に食べられちゃったんだろうか?
🐰「仕方ないよね。昆虫の中ではカマキリは上位種だけれど、生き物全体でみればその位置はかなり下位になるもの」
弱肉強食という言葉が頭を過る。生きるために狩る。あの鎌をふりあげたところで、命を営むために捕食する動物には敵わない。
それでも諦めきれず、レドは何日もカマキリが葉陰から現れるのを待った。
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