思い出

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思い出

 自分の教室に入ると 「なあ。あれって……」  後ろからまさやんが話しかけてきた。  ずっと、後ろからニヤニヤして見ていたのはわかっていた。 「そうだよ」  教室で自分の席に着くとまさやんが隣に座る。 「何年目だ?」 「中学のときからだから4年目だな」 「毎年、毎年、サプライズパーティーをバレてないと思っているのってすごいな」 「ああ。ウソをついてうまくいったと思うと腕を前に伸ばす癖があるからな」 「わかりやすくていいな」 「一年目のときは、隠していることは知っていたけど、何をするかまではわからなかったから本当にうれしかったけどな」  ー他のことも期待していたんだけど。 「あのときは、その後、カラオケ行って騒いだっけ」 「ナナミも始めは、歌うのが苦手そうだったけど、最後には諦めて大声で歌ってたな」  ナナミがマイクをぎゅっと握って、その時、流行っていたラブソングをところどころ外しながら歌っていたことを思い出してクスッと笑う。  まさやんがオレを見ながら呟く。 「去年と同じかな?」  そこまで言うとチャイムが鳴って会話が途切れた。
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