4-●●●●■-足跡

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足跡を追っていると、足跡の脇から何度も小さなバグが沸いてきた。 ただ足跡に寄せられて来たようなバグもいれば、足跡を消そうとするバグもいた。 消そうとしているだけで、消せてはいなかったけど。 やはり人型バグは他のバグと仲間という訳ではないらしい。 むしろ攻撃を仕掛けていたり、足跡を消そうとしたりしているのを見るに敵のような状態なのだろう。 沸き出たバグを放置すれば人間を襲う可能性もあるので、バグの駆除をしながら進む。 その最中で気付いた事がある。 足跡がサンの修復魔法[リペア]で消えることだ。 火炎、雷、水の魔法を足跡に当てても何ともなかった。 もう修復魔法[リペア]じゃなくて消去魔法[抹消]とかお掃除魔法[キレイキレイ]とかに改名すればいいのに。 通ってきた後ろの足跡からバグが沸かないように後ろの足跡はサンが[リペア]で消しながら進む。 沸いているバグはサン以外の3人で駆除していたが、足跡をずっと消しているサンは大分疲弊していた。 「サン、ごめんね。私達[リペア]使えなくって…。」 「…いや、大丈夫…。」 夕方も近くなった頃、川の近くで休憩を取ることにした。 アテナはサンの背中をさすっている。 どれ程進んだのか、あとどれくらい先があるのかはわからない。 「とりあえず今日はここまでにしておこう。サンに負担をかけすぎているし…。」 内心まだ進みたかったが、サンが倒れても困る。 今日はここで野宿をする事になった。 「俺、薪になる木とか集めてくる。サンは休んでて。」 「俺は食えるもんとってくる。アテナはサンについててやってくれ。」 というとで、アテナとサンはその場で待機、ルキウスは食料調達、俺は薪を集めに行くことになった。 俺は木の生い茂った森の中で小枝や落ち葉を拾い集める。 火そのものは自分で出すことが出来るものの、それを持続させられないのでこういうものは必要なのだ。 そういえば人型バグは蟷螂(かまきり)型のバグに攻撃されていたが、無事なのだろうか。 足跡が続いていることから生きてはいるのだろうが、怪我を負っている可能性はある。 まあ人型バグのことを心配したところで、人型バグがこちらの味方かどうかはわからない。 何の情報をどうして俺達に教えようとしているのか、それによっては敵対することも考えられる。 …そういえばあの蟷螂型バグはあの後どこへ行ったのだろう? 俺がそんなことに気付いてしまったのが悪かったのだろうか。 パキパキ、バキバキという木々の折れる音とともに嫌な予感がする。 噂をすればなんとやら、ということだろうか。
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