7-■■●●●-No.1037

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●■■■■□■■■■■□●●●■■□■■●●● ▼LE0 目を疑うような光景だった。 雀蜂型バグがアテナを囲んでいる。 かと思えば、大きな水の玉がバグをどんどん捕らえていく。 アテナに向かって突撃していったバグも、距離を取って様子を見ていたバグも、全てのバグを容赦なく。 バグは脱け出そうともがくも、水がまとわりつくようにバグを離さない。 さっきまで羽音が響いていたのに、今ではもがくバグにあわせて水の玉が動く鈍い音がするだけになった。 アテナを助けなくてはと思ったのに、助ける隙もなかった。 「…アテナ…ごめん。平気だった?」 コーイチの言葉を伝えていなかったこと、助けに入れなかったこと、ほんとはもっとちゃんと謝らなければいけないのに圧倒されて言えなかった。 それでもアテナは笑顔でこっちに駆けてきた。 「レオ!大丈夫だよ!」 その笑顔の後ろでは、バグを捕らえた水の玉がぐぐっと縮み、その圧力に耐えきれなくなったバグがブツっと音をたててバラバラになっていく。 アテナが怖い。 前にもそう思ったが、今の怖さは少し違う。 姿の見えない巨大な敵にでも出くわしたかのような気持ちになる。 「レオ?大丈夫?」 アテナが俺の顔を覗き込む。 その言葉にハッとしてアテナを見ると、いつものアテナだった。 さっきの怖さはなんだったんだ…? 「あ、アテナ…。ごめん。コーイチさんから言われてたこと伝え忘れてて。…でもすごいね。俺、手を出す隙もなかったよ。」 俺の言葉に、アテナは大丈夫だよと言ってにっこりと笑った。 「おい!大丈夫か!?すげえ音がしてたけど!」 そこにルキウスとサンが駆けつけてきた。 俺は今の出来事を説明した。 コーイチからここにはクレアという子のお墓があると聞いていたこと、それには触るなと言われていたこと、あそこにある十字架の彫刻がそれだろうということ、アテナがそれに触った途端に雀蜂型バグが大量に出てきたこと…。 そしてそれを全てアテナが倒したこと。 「アテナが無事でよかったけど、レオ、お前~…」 ルキウスが半眼で見てくる。 やべっ、と思って目をそらす。 「まあまあ、私怪我ひとつしてないし、いいじゃない!ほら、雨もあがってるし外に出よう?」 アテナが割って入り、俺達は建物の外に出た。
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