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9-■■■■●-研究所
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リクからもらったゴーグルをかけ、ローブを羽織りフードを被る。
歪んだ扉から研究所の中へと入る。
入ったところは物置のような小部屋だった。
扉の隙間から土砂が入っている。
土砂崩れか何かで外の扉が開かなくなり、部屋の中にも土砂が入ったために使われなくなった部屋だろうか。
物は置いてあるが、埃を被っている。
かなり薄暗いが、ゴーグルのお陰かよく見える。
暗闇でも見えるような高性能なものなのだろう。
この高性能ゴーグルのような機械というものは、かなりの高額品で、スィフル村のような田舎にいてはきっと一生お目にかかれない代物だろう。
部屋を見渡すと、入った扉とは別の扉を見つけた。
本の少し開けて、様子を覗いてみる。
一面無機質な感じのする素材で出来ている廊下に、白衣の人が歩いているのが見える。
この部屋は廊下の端にあるようだ。
こちらに向かってくる様子はない。
あんな所から入ったんだ、人に見つからない方がいいんだよな…?
天井には至るところに何か同じものがついている。
初めて見る。あれも機械なのだろう。
どうやらこの研究所、機械がたくさんあるようだ。
持ち主はとんでもない金持ちなんだろうか。
とにかく人目を掻い潜りつつ階段を探そう。
俺は深呼吸をすると、音をたてないよう廊下へと出た。
廊下の壁は、扉のあるところが少しへこんでいる。
そのへこみに身を隠し、隙を見て近くの別の扉の壁のへこみに移動する。
それを繰り返しながら進んで辺りを確認し、階段を探す。
隠れながらの移動で進まないのが原因か、迷路のように思えてくる。
十字路になっている所を、慎重に左右を確認する。
人の気配はない。
右は扉があり、行き止まり。解体作業員以外立ち入り禁止と書かれている。
左は廊下が続いており、その先に階段が見えた。
よっしゃ!と小さくガッツポーズをしたが、そう簡単には進めないらしい。
階段までの廊下にバグが出たのだ。
光沢のある羽、床に立つ6本の脚、長い長い触覚…。
「………ゴ!」
思わず叫びそうになった。
口を手で覆い、もう一度よく確認する。
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