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10-●■■■■□■■■■■- L E 0
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▼LE0
ようやく五階中央のメイン研究室前までたどり着いた。
他のところよりも大きな扉に、ご丁寧にも『メイン研究室』と書かれているのですぐにわかった。
しかしどうしても気になる所があった。
メイン研究室の手前にある扉が開け放たれている。
まるで誘っているかのようだ。
俺は唇を真一文字に結ぶと、その扉の開いた部屋を覗きこんだ。
中は倉庫のようで、棚に大きな瓶のようなものが並んでいる。
手前の棚の瓶の中には2つの小さな白いボールのようなものが液体の中に浮かんでいる。
よく見るとそれは、黄金色の瞳をした目玉だった。
うげ、と声が漏れそうな口を押さえ、その部屋をあとにした。
何なんだあの部屋、と苦々しい顔をしていた俺は、その部屋につけられたプレートに『材料倉庫』と書かれていたことに気づくことはなかった。
俺は気を取り直してメイン研究室の前に立つ。
俺は取っ手をつかみ、力をこめて押す。
研究室の中を覗きこむと、中には誰もいないようだった。
広い部屋だがここもまた薄暗く、奥の方は真っ暗だった。
よくわからないが機械がたくさん置いてある。
何かに慌てて出ていったのだろうか、資料のようなものが床に散らばっている。
「あ!」
思わず声を出してしまった。
床に散らばっている資料の中に俺の名前である『 L E 0 』の文字を見つけたのだ。
それに近づいてよく見て、絶句してしまった。
その資料、本来の向きは上下逆だったのだ。
逆さまに見たときに書かれていたのは『No.1037』。
ぞわぞわと全身の毛が逆立つ感じがした。
これが俺が人造人間であることの証拠なのか?
最悪だ、自分の名前すら嫌になるなんて。
ふと廊下から人の話し声が聞こえて、我に返って物陰に身を潜めた。
間一髪のところで扉が開いて、白衣を着た研究員数人が入ってきた。
『くそっ…!侵入者はどうなったのだ!!』
先頭にいた者が偉そうに怒鳴った。
あれは…少し雰囲気が違うが、荒野の館に居たゲノムだ。
ゲノムの後ろについてきていた研究員達が焦ったように首を振る。
『申し訳ありません、博士…。まだ見つかっていません…。』
なんだかかなり大事になっているようだ。
俺のせいで怒られていて、ちょっと申し訳ない。
『じゃあどこに行ったというのだ!!一晩も所内にいて、キャンプでもしてるというのか!!!?』
博士と呼ばれたゲノムが、また怒鳴っている。
しかし"一晩"というのはどういうことだろう。
俺がここに入ったのは二時間ほど前で、"一晩"というほど時間は経っていないはずだ。
ゲノムは答えられない研究員達を睨み付けながら歯軋りをして、もういいと吐き捨てるように言った。
そして機械を操作すると、部屋の奥の明かりがついた。
そこにあったのは巨大な水槽。
そしてその中には、人間らしきものが入っていた。
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