1-●■■■■-バグ

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●■■■■□■■■■■□●●●■■□■■●●● ▼LE0 目を覚まして外を見ると、朝霧で真っ白だった。 昨日人型バグを見たあの場所でルキウスと落ち合う予定だ。 朝飯を口に放り込んだりして、準備を整える。 そして最後に、目立つところに書置きを置く。 『バグの秘密をさがしてくる いってきます LE0』 スィフル村の皆に言えば、絶対に止められる。 危ないから止めろって言うだろうと思う。 だから言えずに、でも探されたくないしと悩んで書置きにした。 俺が居ないと気づいて、誰かが読んでくれることを信じて。 …みんな怒るかな。 家族でもないのに俺に良くしてくれたスィフル村の皆。 この村の皆が俺の恩人たちだ。 …どうか待っていて。 俺が皆をもっとバグから守るすべを見つけてくるから。 決心を胸に、扉を開ける。 早朝の静けさと、朝霧の白さ。 深呼吸をしてから、ルキウスとの約束の場所へと向けて歩き出した。 それにしたってとにかく視界が白い。 これだけ霧が濃ければ、誰にも気付かれずに村を出られそうだ。 そう考えていたその時だった。 「…待て、レオ。」 急に声をかけられた。 「なっ、おい、誰、って…サンかよ」 見渡すと後ろにサンが居た。 「村を出るんだろ?バグを追って。」 「えっ!なんだよ、何で知ってんだよ…。んー、ルキウスは言わねえだろうしアテナか?アテナから聞いたのか?…んで、止めにでも来たの?」 俺は思わず身構えた。 サンを倒してまで出ていくつもりはない。 この村の誰かを傷つけることはしたくない。 止めに来たと言うなら逃げるまでだ。 俺の言葉にサンはため息を吐いた。 「ふー…。…馬鹿め。お前はバグに対して有効な[リペア]を持ってないだろ。一緒に行くんだよ!」 「!」 意外だった。 誰しもに止められると思っていたから、一緒に行くなんて言われると思ってなかった。 「ほら、お前その腕見せてみろ。」 サンが昨日の火傷に気づいて言ってきた。 見た目ほど痛くはないんだ、と説明しつつ腕を出す。 修復魔法[リペア] 白いフワフワした光がじわじわと火傷を治していく。 「こんなんでお前、この先怪我したらどうすんだよ…。」 「おー!サン、ありがとう。」 呆れたようにため息混じりの文句を言いながらも治してくれた。 サンはやっぱりいいやつだ。 昨日も助けてくれたし、俺のやろうとしてることを止めるんじゃなく一緒に来てくれる。 ありがたいし、嬉しい。 「あっちの小山の中でルキウスと落ち合う予定なんだ。よし、行こう。」 「あ、ルキウスも一緒に行くのか?」 「?ああ。なんかマズいのか?」 「いや、レオ一人で行くのかと思ってたから。」 どうやらサンはルキウスが一緒に行くことを知らなかったらしい。 俺が一人で行くと思っていたようだ。
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