1-●■■■■-バグ

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昨日人型バグの居たところに、見慣れた後ろ姿があった。 「ルキウス!」 「おう。レオ。…と、サン?何でだ?」 ルキウスは振り返り、俺達を見て首を捻る。 「一緒に来てくれるってさ。」 「そりゃ、お前ら[リペア]使えないからな。」 サンが一緒に来てくれることを説明すると、ルキウスも喜んだ。 心強いな、と。 やっぱり[リペア]の使えない自分たちだけでバグを追うのは少し不安だったらしい。 「でもよ、サン。村長の息子が村出てっていいのかよ?俺は家族居ねぇし、レオも流れ者だからいいとしてよ。」 「流れ者ってなんだよ」 「…村のため、人のためだって説明で何とかなるだろ。親父があの書置き読んでくれればな。」 どうやらサンも書置きをしてきたらしい。 そんな説明で何とかなるなんて、父親ってそんなものなのか? 「さて、人型バグの向かった方向なんだが、あっちには街がある。とにかくそこに向かって人型バグの目撃情報や、バグの大群が出たりしてないか聞いてみよう。」 「ああ。」 「おう。」 ルキウスの考えに俺達2人も賛成する。 もう辺りは霧が薄れてきていた。 「ちょっ…と、待ってよ!」 動き出そうとした俺達の後ろから声がした。 この声はアテナだ。 「アテナ、止めたって俺は行くよ。」 俺は振り返らずに答えた。 「………。違う…。」 「え?」 アテナの震えた声に思わず3人とも振り返る。 「…違う!私だけ……置いてかないでよっ!」 水魔法[Leviatano(レヴィアターノ)] 「はぁぁ!?」 「やめっ…おい!」 「馬鹿!危ねっ!」 水魔法による鞭を振り回して追いかけてくるアテナから、俺達3人は逃げた。 俺達4人の旅は、こんなマヌケなスタートをきったのだった。
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