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「どうやって捕まえるのさ?」
「捕まえるんじゃなくて倒すんだ。
奴らは真上に飛び上がって鉤爪で襲ってくる。
モロに体当たりをくらうと雪に沈められるから避けろ」
「…兎…だよね?」
「あと、後ろ足も強いから気をつけろ。
一瞬で間合いを詰められる」
僕はこれから何と戦うんだ…?
「頭は硬いから狙っても弾かれる恐れがある。
狙うなら喉が腹の方だ。
左脇、出来れば心臓を狙った方が確実だ。
躊躇せずに一気に刺し貫け」
「レベル高くない?」
なかなか難しい話だ。
そもそも兎でしょ?!酷くない?
ってかどんだけ頭硬いわけ?!
「大きければ大きいほどいい。
その分リスクは上がるが、中途半端な大きさのものを捕まえると《襟巻き》と言って他の兵士からバカにされるぞ」
「《襟巻き》?」
「大きいのを捉えると《外套》と呼ばれて戦士達から尊敬される。
次に大きいのが《ジャケット》、次いで《ベスト》、《腰巻》の順だ」
「なんで名称が服なの?」
「それが作れる大きさということさ。
分かりやすいだろう?」
いくら大きくても兎でそのサイズはないだろう?
「まあ、何はともあれ無事に済んでくれれば私だって陛下に良い報告ができる。
頑張れよ、勇者」
そう言って彼は僕の頭をポン、と叩いて小屋を出て行く。
彼が出ていった後、小屋の外で大きなくしゃみが聞こえ、僕は少し笑ってしまった。
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