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理事長室から出たが戻り方が分からん。
仕方ない、適当に歩くか。
なんか見られてる気がするが……きっと気のせいだろう。自意識過剰かな。
10分後
何処だ。ここは……
おかしい。僕は校舎の中を歩いていたはずなのに、目の前にはでっかい花壇がある。花壇というよりも花畑という方が正しいか。こんなところもあったんだな。一体理事長は何を目指してこの学園を経営してんだよ。
「花はあんまり知らないけど、きれい………………えっ、うわぁっ」ビシャ
冷たっ……えっ、何が起きた?
花を見ていただけなのにスーツがビショビショになってしまってる。
ポタポタ
「す…………ま………せ……。…………せん……。」
声の方に振り向くと目の前には身長が高い生徒会所属のワンコ書記くんが、ホースをもって突っ立っている。
なんで知ってるかって?そりゃー王道学園の主要人物は全員覚えてるに決まってるだろうが!
「た…………な…………せん……だ………ぶ?」
頭ん中でバカ言ってるとワンコ書記くんが困惑していると勘違いしたのか安否確認をしてきた。
「はい。大丈夫ですよ。服が全部濡れただけなので。花に水をあげていたのですか?」
「!!…………せ…………い…………こ……と……ば……わか…………る……?」
「もちろん!分かりますよ!」
「う……れ……し…………い」
そう言ってワンコ書記くんが抱きついてきた。
なんということでしょう!人にあまり関わらず、警戒心が強いと噂のワンコ書記が抱きついてきたではありませんか!
ワンコ書記くんが可愛い!
ここが僕でなかったらきっと萌えてるな。
なんか平田涼の叫び声とシャッター音が聞こえた……気のせいだな……うん…。
「こ……ち……い……く」
ワンコ書記くんが僕の濡れた袖を掴んで引っ張っている。
どこ行くか分かんないがワンコ書記くんが案内してくれるらしい。行かなきゃ、人間が廃るというものだ。
のろのろと歩くワンコ書記くんについて行くと、でっかい扉の前に来た。
えっ、これ開けごまみたいな感じのやつ言わなきゃ開かない系?童話とかに出てきそう。
「ここは…………生徒会室ですか?」
「……そ…………だ…………よ」
僕の言葉に頷くワンコ書記。
「えっと、どうしてここに連れてきたんですか?」
「ぬ…………て…………か……ら。」
長いのでワンコ書記くんの言うことをまとめると、生徒会室にシャワーがあるかららしい。寮でも良かったがこっちの方が近かったみたい。
「…………は………………る…………よ」
「いつでも大丈夫ですよ」
ガラッ……ブォォォ…鼻血がでてしまった
仕方なくない?
だって……だって…俺様系会長様の上に庶務の双子の片方が乗って体触ってるんだよ!!あの角度入ってる気がする……何がって?ナニだよ。いつもならこのぐらいで鼻血は出ないが、油断した。
……ワンコ書記くん、そんな目で見ないでください。
登場人物
乾優希(いぬいゆうき)2年
ワンコ書記
背は高いがカワイイ系イケメン
「圧倒的受けである。思いっきり攻められて欲しいが、誘い受けでも可愛さが引き立つと思う( ´∀`)b」
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