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もっと決めるのに時間がかかると思っていたが、案外スムーズに決まっていた。
今日は授業がないのでこれで終了。
「先生!この後なんかありますか?」
「無ければ数学を見て欲しいのですが」
「先生の好きなタイプを教えてください!」
放課後になるとクラスの奴らがたくさん僕に群がって話しかけてきた。
勉強熱心。僕が高校生の時なんか遊びまくってたよ…………うん?なぜタイプ?
「ごめんなさい。この後、やる事があるんで
す。また今度でもいいですか?」
そう言うと残念そうに帰って行ってしまった。課題出して無いし今日急ぎの勉強では無いよね。
この後、理事長である義兄さんのところに行かなきゃならないのだが……行き方が分からない。
「せんせぇ?どうかぁしましたかぁ?」
どうしようかと考えてるとようくんが喋りかけてきた。
「あ、ぶりっ……じゃない、ようくん……でしたっけ?えっと理事長室に行きたいんですけど行き方が分からなくって……」
「あっそぉーだったんですね!ようくんってぇよばれるのぉめっちゃうれしぃですぅ!案内したあげたいんですけどぉ新衛隊のぉ集まりがあるからなぁ〜」
顎に手を当てて少し首を傾げるようくん。
あざと可愛いな、この子。
「ハイハイハイ!!俺が案内します!俺平田涼って言います!!以後、お見知りおきを」
僕がようくんと喋っているとやたら元気な奴が割って入ってきた。
「あっれぇ?りょーくんだ。わってはいらないでよぉー。せんせぇ、りょーくんには気をつけたほぉーがいーですよぉ?あっ、そろそろじかんになっちゃうのでぇーいきますねぇーせんせぇ、さよぉーならぁ〜」
「……気をつける?……はっまさか俺様系会長しか見てなかったぶりっ子系チワワが、立花先生を!!ぶりっ子チワワ×初々しい教師か!ぶりっ子チワワは、受け属性だと思う人も多いがそれだけでは無い。例えば(せんせぇ、ヤろう? )(えっ、でも…生徒に手を出しちゃ…)(せんせぇ、おれのこときらい?)(……嫌いじゃないけど… )(ならいいでしょぉー?だぁいじょーぶだよぉ、ねぇ)(う…ん…で……も…)(はやくぅいっしょになろぉう?)って展開まじおいしい!!ごちそうさまです!でも、春日でもいいと思う!爽やかイケメン×初々しい教師いつもは教師の言うことをきく優等生だが、二人っきりの密室で主導権を握るのは爽やかイケメンの春日、普段健気に頑張る新任教師を甘やかすのが春日の役目!!フォーーーーーまじ立花先生が来てくれて妄想の幅が広がったーー!まじぷまいッス!ぐへぐへへへ(^q^)」
こいつ……僕と同類だ
ノンブレスで言い切ってヨダレを垂らす平田に引く。同じ腐男子だけど、僕はこんなに気持ち悪くはない……と思いたい
えっ、腐男子ってはたから見たらこんなんなの?でも僕は違うよね。
隠れ腐男子だし……ねぇ?そうだよねぇ…?
悶々と考えていると
ボン
「…痛った!なにすんだよ。春日!」
学級委員になった北村が平田の頭をノートで叩いた。
「立花先生が困ってる。いきなりそんな事言われたって普通の人に分かるわけないでしょ」
呆れ顔でいう北村に平田は口を尖らせる。
ごめんなさい。言ってること全部分かります。普通の人じゃなくて、脳みそ腐っているので……でも僕で妄想するのは辞めてください。切実に。
「ありがとうございます。北村くん。で、えっと平田くんでしたよね。何言っているか分からなかったのですが、理事長室まで案内してくれるということで大丈夫ですか?それとも、体調が悪いようなら保健室に行きますか?」
悪いな平田、人のこと言えない僕が。隠れ腐男子たるもの常人として発言するようにしなければ……
「ぶ……っ……!」
「笑うな!春日!こっ、これが通常運転なの
で大丈夫です!!」
「……そうですか。では、理事長室までお願いしますね。」
「立花先生。こいつだけじゃ心配なので俺もついてきますよ。」
「心配ってなんだよ!…………おい、無視して行くな!先生も待って!……俺の扱い酷くない!?まだ初登場だよ!」←メタァ
平田涼(ひらたりょう)
クラスのオープン腐男子
イケメンよりの平凡
爽やかイケメンと幼馴染
「最近腐男子総受けもはまってる。平凡腐男子同士でキャラがかぶってると思ってる奴がいるようだが、断じて違う。オープン腐男子と隠れ腐男子は、オープン腐男子の方が受けなのだ!」←訳が分からない持論
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