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「……そういえば…ブラックカードって新も持ってるんですよね……」
あのKYが持ってんの不安なんどけど…犯罪予備軍じゃん。
僕が呟くと輝は怪訝な顔をした。
「先生は、新のこと好き……?」
「えっと……」
新が好き?有り得ない。
王道は好きだが、新自身を好きかと聞かれればそれは否だ。
「あんまり…ていうか、何考えてるのか分からなくてきら……苦手ですね…」
「そ、そう……あっ、あのさ僕……」
何故か嬉しそうにする輝。
……はっ!まだ新のことが好きなのか!
この間は好きじゃないって言ってたけど、嘘だったんだね!
「輝くん!何も言わなくて大丈夫です!分かってますから!まだ新が好きなんですよね!協力します!」
拳を握りしめて意気込んで宣言するが、輝は綺麗な顔を引き攣らせた。
「何にも分かってない!この鈍感が!!」
輝はそう叫びながら、僕の脛を蹴り走って行ってしまった。
痛ったいな…なんか悪いことしたかな…
「お、立花先生やん。どうしたんや?そんな格好で」
ドアの外で佇んでいるとそこに相澤先生が通りかかった。
いつも通りピンクジャージだ。
「あ、こんばんは、相澤先生。別になんでもないです」
「そうか。でも、外に出る時はもっと違う格好の方がええで」
「そんなに変ですかね……?」
輝に言われた事を相澤先生にも言われ、自分のセンスを疑ってしまう。
「変ではない。ただ……」
途中で言葉をきり僕に近づいてくる。
反射的に後ろに下がってしまい、背中と壁がくっ付いた。
「うーん。やっぱべっぴんさんやな」
「えっ、ちょ、」
そのまま僕の顔の横に手を付き、顔を近づけてくる相澤先生。
そして、僕の耳元で優しく囁いた。
「あんま刺激的な格好しとると食べとうなるわ」
「ひゃっ」
耳がゾクゾクして思わず変な声を出すと、相澤先生は顔を離し僕の肩に手を置いて笑って言った。
「いいか?男は皆狼や、そんな格好でうろついてたらアカン。わいやったから良かったものの真島先生やったら大変やったよ」
「す、すみません?でも、僕も男…」
僕は片耳を両手で抑えながら、何が悪いのか分からないが謝った。
「男なのは知っとる。その容姿を自覚せぇ言うとるんや。まぁ、それでこそ立花先生やからな……まぁええ。ほな、おやすみ」
相澤先生に色っぽい顔で言われ、思わずキュンとなってしまった。
僕が女なら多分惚れた。相澤先生…恐るべし
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